モグラ談

40代のリベラルアーツ

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【映】シェイプ・オブ・ウォーター(ギレルモ・デル・トロ)

「ナイトメア・アリー」がよかったので、デル・トロ監督からもう一作。2017ベネチア金獅子賞、2018年アカデミー作品賞ほか4部門受賞。2017年、124分、米。R15+の大人のファンタジー。 政府の研究所で清掃員として働くイザイラ。研究材料として持ち込まれた魚…

【映】ザ・スクエア 思いやりの聖域(リューベン・オストルンド)

2017年パルムドール。2017年、151分、瑞、独、仏、丁合作。 モダンアートの美術館でキュレーターをつとめるクリスティアン。思いやりの心や平等の精神を表現する作品を通じ、差別や貧困問題に一石を投じる企画を立ち上げる。そんな中、財布とスマホの盗難に…

【映】ナイトメアアリー(ギレルモ・デル・トロ)

デル・トロ作品、「シェイプ・オブ・ウォーター」と迷いまずこちらから。ブラッドリー・クーパー主演。2021年、150分、米。冒頭、久しぶりのSEARCH LIGHT PICTURES(旧21世紀FOX)のオープニングに感動。 サーカス団に流れ着いた浮浪者スタンは職を得て、手…

【映】アンテベラム(ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ)

「ゲットアウト」「アス」のプロデューサー作品ということで期待して視聴。2020年、106分、米。 社会学者として活躍するベロニカ。一方で、南北戦争下で虐げられるエデン。ふたつの物語が併走し、合流する・・・。 中盤までの40分、プランテーションでの虐げ…

【映】オールド(M・ナイト・シャマラン)

ふと思い出し、久しぶりにシャマラン作品。主演のガエル・ガルシア・ベルナルは「ブエノスアイレスの夜」以来なので20年ぶり。お互い年をとったな、と軽い感慨。 家族で訪れたリゾート。ホテルのマネージャーからプライベートビーチに招待される。そこで異様…

【映】ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密(ライアン・ジョンソン)

「スターウォーズ 最後のジェダイ」のライアン・ジョンソン監督、アガサ・クリスティ作品へのオマージュ、密室もの。探偵役にダニエル・クレイグ。2019年、131分、米。 富豪の小説家の死をめぐる密室ミステリー。警察は自殺と判断するが、匿名から依頼を受け…

【美】故宮の世界(東京国立博物館)

日中国交正常化50周年記念。故宮博物院の名作を主にデジタル映像で展示。 デジタル映像、凸版印刷の技術力、大画面、精細、鮮明、リアリティを失わせるほどの輝度。紙の図版とは比べ物にならない。でも模倣品でもリアリティにはまだかなわないかな、あるいは…

【美】自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで(国立西洋美術館)

リニューアルオープン記念。ドイツのフォルクヴァング美術館の協力を得て開催。急速な近代化が進んだ19世紀から20世紀にかけ、芸術家たちは新たな知識とまなざしで自然を捉えていった。印象派、ポスト印象派を軸にドイツ・ロマン主義から20世紀絵画までの100…

【映】プロミシング・ヤング・ウーマン(エメラルド・フェネル)

気になってた一作。キャリー・ハンナ・マリガン主演。どこかでみたことあると思ったら“華麗なるギャッツビー”だった。フェネル監督、初長編映画。しっかりえぐってくる。アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞受賞(2021)。…

【映】グランド・ブタペスト・ホテル(ウェス・アンダーソン)

ジャケレンタル。“ダージリン急行”のウェス・アンダーソン監督。2014年、100分、アメリカ。 わくわくさせる語り口からのオープニング。欧州名門のグランド・ブタペスト・ホテル。季節ごとに予約するかつてのオーナー。ホテルの歴史を訪れた作家に語る・・・…

【映】Us アス(ジョーダン・ピール)

涼をとろうとホラー。“ゲットアウト”で面白かったジョーダン・ピール作品。2019年、116分、米。ピール監督、コメディアン出身。才能豊か。 なんでもない浜辺の遊園地のオープニングなのにすでに不穏な空気に満ちる。日常シーンに緊張感を強いる。冒頭から良…

【本】戦略的思考とは何か(岡崎久彦)

いわゆる最近の思考法本ではない、骨太の戦略的なものの見方を、軍事防衛戦略を主題に解く。名著。 著者は、戦前生まれの外務官僚。調査畑を経て、初代情報調査局長。サウジとタイで大使。祖父は陸奥宗光の従弟。 “日本人は論理的思考が苦手であり、戦争のよ…

【映】今夜、世界からこの恋が消えても(三木孝浩)

嵐から“なにわ”に転向した娘とハンカチ握りしめて劇場へ。2022年、121分。道枝駿佑、福本莉子主演。主題歌ヨルシカ。 一条岬氏のライトノベル原作。韓国でも話題になった。韓国×恋愛×記憶、だと、嗚咽した“私の頭の中の消しゴム”を思い出す。あわせて、記憶…

【映】殺人者の記憶法(ウォン・シニョン)

韓国映画の気分でウォッチリストから。2017年製、118分、韓国。 アルツハイマーにより記憶に障害を抱えるビョンス。子供時代の父親殺し以降、悪とされる人を殺すことで心の善を保ってきた。娘が育ち、殺人から離れたビョンスであったが、猟奇殺人犯との接触…

【映】EUREKA ユリイカ(青山真治)

Helpless、本作、サッドヴァケーションの九州サーガ三部作と呼ばれるものの二作目。カンヌで国際連盟批評家賞、ノベライズは三島由紀夫賞。2000年、217分! バスジャックに巻き込まれた運転手と兄妹。トラウマから逃れられない人生が出会い、再び歩みだそう…

【映】コーダ あいのうた(シアン・ヘダー)

“愛のコリーダ”となぜかオーバーラップしてしまったが全然関係ない作品。まえから気になっていたものをウォッチリストから。2021年、112分、米仏加合作。サンダンスで4冠、2022年アカデミー賞では作品賞を含む3冠。2014年の仏「エール」のリメイク。どちらを…

【TV】NHKアカデミア 細田守

第一線のクリエイターや研究者が職業観、人生観などを熱く、自由に語る番組。細田守監督の回(7/26)はなかなか印象に残る素敵な番組だった。 監督の仕事とは、“作品を全体として面白くする仕事”。そのために全体をデザインする。ひとつの作品に絵コンテ500…

【映】楽聖ショパン(チャールズ・ビダー)

音楽史の読書から派生してアマプラより。1945年、アメリカ、111分。 祖国ポーランドの独立への想いを秘めつつ、天賦の才能をひろげるため師エルスナー教授とパリに向かう。祖国への想いとの葛藤、ジョルジュ・サンドとの出会い、病との闘い。リスト、パガニ…