モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】悪の偶像 (新宿シネマート:2020/07/01)

開催情報

【概要・雑感】

  • ハン・ソッキュソル・ギョング競演のサスペンスノワールベルリン国際映画祭出品、ファンタジア国際映画祭で作品賞、主演男優賞。英題はIDOL。ひき逃げした息子の罪を隠ぺいする政治家と犯人を追う被害者の父親の動きを軸に、被害者の妻の過去が錯綜する。
  • なんといってもチョン・ウヒのモンスターぶりがすごい。シャーリーズ・セロンとは異なる、だけど迫力ではひけをとらない演技。哭声(コクソン)では登場時間は短いものの印象を残したが、今回、開花した印象。次作に期待。
  • 前半は両俳優の演技で、中盤から後半までは謎が深まるばかりでストーリーに集中。多少、伏線がすっきり回収され切れてない感もあるが、まぁよしとする。 

【もう1冊】

  • 哭声(コクソン) ⇨國村準が好評を得たことでも話題になった。 國村を音読みすると映画タイトルになるのは偶然か。クリスチャンのナ・ホンジン監督が新約の逸話をうめこんだ作品。
  • ファニー・ゲーム ⇨学生時代にみたことを思い出した。最後まで救われない、やりきれない。この読後感(?)の悪さを超えた映画はいまだない。
  • 悪の哲学-中国哲学の想像力-中島隆博,2012,筑摩書房 ⇨孔子孟子荘子荀子などの中国古代の思想から、悪をめぐる哲学的思考を辿る。集中を要する一冊。