【美】月岡芳年 血と妖艶(太田記念美術館:2020/8/25)
【概要・雑感】
- 幕末から明治前半に活躍した芳年。“血みどろ絵”、“残酷絵”で知られ、乱歩や三島などを惹きつけたとされるが、いやいや美人画もなかなか。本展覧では、「血」「妖艶」「闇」にわけて約150点展示。ひとつひとつの作品に丁寧な解説がつく。落ち着きのある素晴らしい美術館。
- 瞬間を切りとる、空気をとらえる、情感の表現、にじみ出る艶。刃物がもつ残酷と官能。ポスターとしての浮世絵人気を考えると、相当話題になったのだろうな、と当時を想像。
- 残酷絵はすさまじい臨場感。芳年はなぜここに美を見つけたのか。師の歌川国芳から斬新と奇想天外を引き継いだのか、生得か。
- 主題に目が行きがちだが、技巧も素晴らしい。版画であることを忘れる。