【美】桃山 天下人の100年(東京国立博物館:2020/11/13)
【概要・雑感】
- 茶の湯に興味をもちはじめたところ、とてもタイムリーでありがたい企画。はじめての国立東京博物館平成館。敷地にはいると、美しく色づくユリノキが迎えてくれた。
- 室町の終焉から江戸までの30年。豪壮、絢爛のイメージのある桃山文化。一方で、利休がひとつの到達を生んだ侘茶の世界。秀吉が北条を滅ぼした1590年は、鉄砲伝来から鎖国まで100年間の中間に位置するとのこと。西洋の文化が流れ込み、下剋上を越え権力が収斂していった、そんな時代の文化。
- 目玉は永徳の唐獅子屏風図。予想以上の迫力、勢いある筆致、大胆な色使い。威厳と威圧を与える舞台装置としての屏風図の効果が実感できる。花鳥図襖、洛中洛外図屏風、松林図屏風、信長像、志野茶碗などなど、国宝、重文がずらり。
- 本館も立ち寄るが、勉強不足でひとつひとつの作品を味わいきれず。各所にあるサイネージの日本文化動画いいね。
【もう1冊】
- 茶の本(岡倉天心,1994,講談社)⇨茶道を通し日本の美の精神を伝えるため英文で執筆。“茶道は、日常生活のむさくるしい諸事実の中にある美を崇拝することを根底とする儀式“とのこと。
- 利休にたずねよ(山本兼一,2018,文春文庫)⇨秀吉に命ぜられ切腹した利休。切腹当日から青年時代まで利休の人生を、緑釉の香合に秘められた謎とともに遡る。直木賞受賞作。映画化されたが、海老蔵さんの配役は作者の強い要望だったとか。
- 別冊太陽 大図解 戦国史(別冊太陽,2013,平凡社)⇨タイトルのとおりの一冊。利休の死にまつわる言説も紹介。別冊太陽いいね。