モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】桜桃の味(Amazon Prime:2022/1/2)

作品情報

  • イラン映画でも、と思いウォッチリストから。キアロスタミ監督・脚本、1997年イラン・フランス合作、98分。97年カンヌでパルムドール今村昌平監督が「うなぎ」で受賞した年。
  • 見終わってからキアロスタミ監督と気づく。20年以上前にみた「友だちの家はどこ?」をかすかに想起。
  • 助手席からの視線で、運転する主人公を映す、延々と映す。このショットを多用する。すでになにかを決意した顔、知性と憂慮と疲労がにじんだ顔。ひとつの死にはひとつのドラマ。当然のこと。
  • 自分に土をかけてくれる人を探す。運転中の会話、生きること、死ぬことへの洞察といたわり。
  • ラストシーンの意味。突如訪れる混乱、大事なものを汚されたような、あるいは裏切られたような感情。いろいろな解釈。このラストの姿は、実は自殺を考えるに至った世界という解釈で自分を整理。
  • 映画は人を自由にする。学生時代、映画に助けられたことを思い出す。

“わしは死を置き忘れて、桑の実を持って帰った“