【映】私はロランス(Amazon Prime:2022/1/14)
- トム・アット・ザ・ファームが素晴らしかったので、グザヴィエ・ドラン監督作品を。2012年、カナダ・フランス合作、168分。英題は、“Laurence Anyways”。
- 私として生きることを決めたロランスの、あるいはともにした女性の、10年にわたる愛の詩。ゆさぶられる何かを胸のあたりに感じる。これが魂の輪郭なのかと思う。
- 実験的な映像しばしば。アメリやデリカテッセンあたりを想起。取り入れる音楽も幅広い。このあたりの欲張りに監督の若さをみる。
- 言葉が救う。“8ページですが、代理の先生ではわかりませんでした”“女じゃなくバカになった?””今夜戻るわ。家に戻って協力する“
- セリフで説明しきらない技法。スキップさせて想像させる技法。目が示す表情、心情、感情が響く。フランス語の美しさに気づかせる会話と間。
- 主人公はひとりではない。なぜなら二人の愛の物語だから。かつての時間を再現しようとしてはいけない。戻れないことを確認するだけだから。
- ラストは作品全体に恋のベールをまとわせる。