モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】ザ・スクエア 思いやりの聖域(リューベン・オストルンド)

  • 2017年パルムドール。2017年、151分、瑞、独、仏、丁合作。
  • モダンアートの美術館でキュレーターをつとめるクリスティアン。思いやりの心や平等の精神を表現する作品を通じ、差別や貧困問題に一石を投じる企画を立ち上げる。そんな中、財布とスマホの盗難にあった彼が行った、その精神とは相いれない行動が、矛盾と問題を広げていく・・。
  • 分断が偏見を、偏見が恐怖を、恐怖が暴力を生む。それらが意識されない中ですでに社会を覆っている、といったことへの警鐘、というメッセージを受け取る。
  • 映画としては退屈。病んでいるし、腹立たしい。あおられているのかもしれないし、それが意図かもしれない。これが2時間半は苦痛に近いが、なにかあるだろうと最後まで観る。
  • ベネチア金獅子ということで観たけど残念だった「さよなら、人類」を想起。ヨーロッパの映画祭、どうなってる?
  • 差別、貧困に対する上から目線の遊戯、と本作を評しては他人事すぎるだろうか。つきつけられる現実を直視できず、批判できない審査員は好評せざるを得なかった、といった病理を感じるのは穿った見方すぎるだろうか。

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