モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】サニー 永遠の仲間たち(カン・ヒョンチョル)

  • センチメンタルといえば韓国映画。青春とセンチメンタルはこれ以上ない組み合わせ。2011年、124分、韓国。740万人動員とか。
  • 高校時代に強い絆で結ばれた7人組グループの“サニー”。卒業式の事件以来離れ離れ。それぞれの人生を歩む。当時、転入生として受け入れてもらったナミは、母親の入院先で当時の仲間のユナにであう。余命2か月のユナのために、当時の仲間を集めようと決意する・・・。
  • 韓国の映画は情が豊か。この設定、この演出で涙腺が緩む。カラフルな色彩、陽光は青春の輝き。
  • 映画というよりドラマを圧縮した雰囲気。流行曲が流れる。ボビー・ヘブ「sunny」(‘66)、シンディローパー「Girls Just Want to Have Fun」(’83)、「Time after Time」(’84)。
  • 80年代の韓国は民主化に向けた闘いの時代。学生運動の鎮圧シーンが背景に使われる。あくまでファッションのように。時代は変わった。
  • 父系社会が色濃く残る韓国。その象徴のような主人公ナミの夫。情でなく金で家族を支配する。そんな男を後ろ姿で映す。表情はない。非人間的な描写のよう。「82年生まれキム・ジヨン」で男に名前が与えられなかったのと同じ。一連の経験を経て、少しだけ解放されたミナ。ようやく横顔が写される。しかし横顔、まだ解決されてはいない社会を暗示。
  • 40代となり、なにかしらの苦難を抱える女性たち。青春時代にみた夢、感じた自由を思い出す。抑圧された男社会という韓国の実情、縛られたそれぞれの人生。“人生の主役を演じなさい”といわれる。フェミニズム映画とみることもできる。
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