モグラ談

40代のリベラルアーツ

【音】ナイトタイム・パイプオルガンコンサート(東京芸術劇場:2021/12/16)

作品情報

  • 大分前に予約していた楽しみがついにきた。はじめての東京劇場パイプオルガン。オルガニストは小林英之さん。演目は、バッハ、レールンドルファー、レーガー。
  • 荘厳。そびえるようなオルガンはまるで神の世界につながるゲートのよう。通奏低音が脳波を想像の世界にいざなう。思考がとぶ。中世、教会、信仰、対峙としてのサイエンス、再現性があることと真実性の相違。
  • 左右に足を滑らせるオルガニストの後姿は、オルガンと一体化しているような錯覚を覚える。果たして彼が演奏しているのか、オルガン内部に眠る音源を呼び起こしているだけなのか。聖なる音源に向き合うかのようなオルガニストはなにをみているのか。
  • 後半の部でオルガンがいれかわる。巨大なモニュメントが反転する。現れた流線形にかたどられたパールホワイトのモニュメントは、造形物としての美しさで圧倒する。音楽が昂揚させる。美が信仰心をつくってきたことを感じる。
  • モニュメント、音、照明、プロジェクション、開放的な空間。素晴らしい美的体験。