モグラ談

40代のリベラルアーツ

2019-01-01から1年間の記事一覧

【本】田辺聖子の小倉百人一首

書籍情報 【概要】 そろそろ季節なので再読。 著者は芥川賞をはじめ数々の受賞歴をもつ女流作家。源氏物語の翻案など、古典文学の現代語訳・翻案多数。本年6月に逝去。NHK「あの人に会いたい」を見て人生にも惹かれた。 本書は百首を各4-5頁で順番に読み解く…

【本】なぜ世界は存在しないのか

書籍情報 【概要】 未読で放置していたものを先日読了。 著者(1980-)はボン大学の認識論/現代哲学講座の教授。ドイツで最年少の哲学正教授となり注目を浴びた。カンタン・メイヤスーとともに、新実在論の旗手。この数年、日本でもすっかり著名になった感…

【本】子どもの脳を傷つける親たち

書籍情報 【概要】 発達障害の本を読んでいた時期に書店で手に取り購入。 著者は福井大学「子どものこころ発達研究センター」教授。ハーバード大学との共同研究で、虐待が子どもの脳を物理的に委縮させることを明らかにし、注目を浴びた。精力的に臨床にも取…

【本】名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち

書籍情報 【概要】 日本の雇用について、ジョブ型とパートナーシップ型の二項対立で扱われることが多いように思うが、単純化されすぎ、思考停止に陥っている印象を受ける。日本の雇用論を俯瞰できる書物を探していたところ本書に出会う。古典的良書から近年…

【本】民俗学への招待

書籍情報 【概要】 歴史書を読む中で、日本人論に興味を持ち、思えば柳田國男と南方熊楠を拾い読みした程度だったので、新書の入門書を購読。民俗学の本は読み物として面白く、かつ歴史の連続性を感じさせてくれる。 著者の宮田登(1936-2000)は日本の民俗…

【本】プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

書籍情報 【概要】 機会がありこの夏に読了。経済史の書籍を通じ、概略は理解していたが、やはり学術書の原典は違う。岩波文庫の大塚訳より、日経BPの中山訳のほうがわかりやすい。500ページを超える大著だが、脚注が多く、本文量はそれほどでもない。論旨は…

【TV】NHKスペシャル「ラグビー日本代表 密着500日~快進撃の舞台裏~」

2019/10/20 08:00-08:57 NHK放映 【概要】 競技の枠を超えて注目と盛り上がりをみせたラグビーワールドカップ。準決勝進出をかけた南アフリカ戦に先立ち放映された。ルールも知らないにわか者だが、今回の日本代表から、リーダーシップ・組織論やスポーツの…

【本】日本の思想

書籍情報 【概要】 先日お会いした方が丸山眞男氏を指導教官とされていたことを知り、再読。 著者の丸山眞男(1914-1996)は日本の思想家。「丸山政治学」と呼ばれ、学界だけでなくオピニオンリーダーとしての影響力も有した。東大助手に採用したのは南原繁…

【本】続・日本の歴史をよみなおす

書籍情報 【概要】 (再掲)農業社会日本という固定的日本観をくつがえし、水田中心農業基礎社会としての日本では語りきれない側面を示す。日本は、当初より交易で成立する社会(≠自給自足社会)であり、重農主義と重商主義の対立で形成されてきた歴史である…

【本】日本の歴史をよみなおす

書籍情報 【概要】 新書「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 」(呉座勇一,2016,中公新書)が話題になっていたのが影響したか、古書店で日本の歴史分野に触手が伸び、手にした本。これほどの名著と知らなかった。機会があり、半年前に再読。 著者の網野善彦(…