モグラ談

40代のリベラルアーツ

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【映】卍(増村保造)

谷崎原作の映画化。光子役に若尾文子、園子役に岸田今日子。1964年/90分/日。 原作に忠実。ストーリーもセリフもひとつひとつ同じ。原作に比べ圧縮されるが、光子が妊娠していないことを告げるタイミングと、梅子の役割以外は原作そのままではないか。製作…

【映】パターソン(ジム・ジャームッシュ)

「ブラック・クランズマン」のアダム・ドライバーがよかったので、ウォッチリストから。2016年/118分/米。 超久しぶりのジム・ジャームッシュ作品。学生のときに好んでみていたのを思い出す。前回観たのは、「コーヒー&シガレッツ」だったか。 静かにはじ…

【映】プライドと偏見(ジョー・ライト)

「つぐない」に続き、文学原作×ジョー・ライト監督&キーラ・ナイトレイ主演作品。キーラ・ナイトレイが次女エリザベス役、父親役にドナルド・サザーランド。2005年/125分/英 たしかにフェミニズムの教材。当時の意識・慣習に軽く腹立たしさを感じながら観…

【映】ブラック・クランズマン(スパイク・リー)

ひさしぶりのスパイク・リー作品。製作はジョーダン・ピール。ジョン・デビット・ワシントン主演、アダム・ドライバー助演。カンヌグランプリ。2018年/135分/米 黒人刑事が白人至上主義団体「KKK」潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マ…

【映】それでも夜は明ける(スティーブ・マックイーン)

「SHAME」のスティーブ・マックイーン作品。製作にブラッド・ピット。アカデミー作品賞受賞作、2013年製作/134分/米英合作 拉致され南部の農園に売られた黒人ソロモン・ノーサップが12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記の映画化。南北戦争直前の世界。 …

【映】MINARI

ウォッチリストから。タイトルのMINARIは、韓国語でセリの意味。最近よく観るスティーヴン・ユアン主演。アカデミー賞で計6部門にノミネート、祖母スンジャを演じたユン・ヨジョンが助演女優賞。2020年/115分/米 1980年代のアメリカ南部を舞台に、韓国出身…

【映】PLAN75(早川千絵)

ウォッチリストから。75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く(映画com)。2022年/112分/日・仏・フィリピン・カタール合作。 いろいろ思考が飛ぶ。ロールズ、ベンサム、あるいは、…

【映】アナザーラウンド(トマス・ビンターベア)

マッツ・ミケルセン版のハングオーバーかな、と勘違いするも、よい意味で裏切られた。アカデミー賞国際長編映画賞。2020年/115分/デンマーク。 冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、た「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像…

【映】サンザシの樹の下で(チャン・イーモウ)

「紅いコーリャン」「活きる」などのチャン・イーモウ監督作品。2010年/114分/中国。 文革の影響を基底に愛し合う二人を描かせたらイーモウ監督。本作でも主人公の女子高生ジンチュウが文革下の再教育として送られた農村で青年スンに出会いひかれあう。身…

【映】NOPE(ジョーダン・ピール)

「ゲット・アウト」「アス」のジョーダン・ピール監督長編3作目。「ゲット・アウト」のダニエル・カルーヤ主演。「バーニング」のスティーブン・ユアンもちょこっと。2022年/131分/米。 田舎町で牧場を経営するヘイウッド家。ある日、突然空から異物が降り…

【映】セラヴィ!(エリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ)

前から気になっていた作品をウォッチリストから。「「最強のふたり」の監督が描くコメディドラマ。ジャン=ピエール・バクリ主演。2017年/117分/仏。 引退を考え始めたベテランウェディング・プランナーのマックスは、古城を式場にした結婚式をプロデュー…

【映】リチャード・ジュエル(クリント・イーストウッド)

「運び屋」に続きイーストウッド作品。ポール・ウォルター・ハウザー主演、主人公の母をキャシー・ベイツ、弁護士役を「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェル。2019年/131分/米。 ‘96年アトランタでの爆破テロ事件を扱ったサスペンス。警備員のリチャ…

【音】エリアス弦楽四重奏団ベートーヴェン・サイクルⅠ~Ⅵ(サントリーホール2023/6/14)

アンサンブルを聞きたくチェンバー。エリアス弦楽四重奏団は1998年マンチェスター結成でベートーヴェンの弦楽四重奏曲をレパートリーの中核に据えてきたとのこと。 全6公演の最終日。この日は、4番、10番、13番。調和よく上下する4名の弓がメンバーのコラボ…

【美】部屋のみる夢 ボナールからティルマンス、現代の作家まで(ポーラ美術館)

移動が制限された状況で多くの人が多くの時間を過ごした「部屋」という空間に注目し、19世紀以降のこれにまつわる作品をとりあげる。モリゾ、ハマスホイ、ボナール、ヴュイヤール、マティス、ティルマンス、草間彌生など。 ハマスホイの“陽光の中で読書する…

【美】-意識のながれ-岩田壮平日本画展 ほか(成川美術館)

恒例の箱根美術館めぐり。まず成川から。企画展の岩田壮平は華道に原点をもつ日本画家。 “大胆、繊細、高揚感”“内面の表出よりむしろ企てられた形と色の解釈”“絵の具そのものがもつ感情を組み立てる喜び”と、同氏の紹介文にあった表現にひとしきり納得。 お…

【美】ルーブル美術館展 愛を描く(国立新美術館)

神話画、風俗画、宗教画など、様々な主題で表現されてきた「愛」。ルーブルのコレクションから、16~19世紀半ばまでの73点を通して浮き彫りにする。テーマオリエンテッドな趣向の展覧会。サブタイトルは、”ルーブルには愛がある”。音声ガイドは、満島ひかり…