モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】雄呂血(Amazon Prime:2021/12/19)

開催情報

  • ウォッチリストから一作。阪妻主演、牧野省三総指揮。妻三郎没後、弁士の松田春翠がフィルムを譲り受け、現在、パブリックドメインwiki)。
  • “無頼漢(ならずもの)を称する者、必ずしも真の無頼漢のみに非らず。善良高潔なる人格者と称せらるる者必ずしも真の善人のみに非らず “。不運から身を落としていく侍の人生。ストーリーはシンプル。79分とやや短いのもあるが、それでも飽きさせない。妻三郎、艶めかしい。
  • 弁士による無声映画、はじめてかも。この口誦芸に耳を傾けると、相当の洗練に驚かされる。日本でトーキー革命が遅れたのは、ひとつにこの弁士の洗練が、観客に字幕フィルムを必要とさせなかったことがあるらしい。
  • ラストの大立ち回りは見もの。古さを感じさせない。

 

【もう1冊】

  • 日本映画史100年四方田犬彦,2000年,集英社新書)⇨“日本映画をその深層において理解するためには、日本史と隣接する芸術の知識が必要である”。本著から20年、四方田氏の東アジア映画史を読んでみたい。