モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】ブラック・クランズマン(スパイク・リー)

  • ひさしぶりのスパイク・リー作品。製作はジョーダン・ピール。ジョン・デビット・ワシントン主演、アダム・ドライバー助演。カンヌグランプリ。2018年/135分/米
  • 黒人刑事が白人至上主義団体「KKK」潜入捜査した実話をつづったノンフィクション小説を、「マルコムX」のスパイク・リー監督が映画化。(映画com)
  • 白人に対するヘイトスピーチ、黒人やユダヤ人を罵倒するクランズマン、凄みがある。想像の及ばない憎悪の世界。ひとつひとつが脳みそに針を刺されるような感覚。異なる人種への憎しみを知らない自分は作品のストーリーに集中できる。そうでない聴衆は本作をどう観たか。
  • ヘイトスピーチに感化されていく人々。暗闇を背景に表情を重ねる。クィーンのPVへのオマージュかのよう。
  • 主演のJDワシントンはデンゼル・ワシントンを父親に持つ。少しユニークキャラ。ときおりまぜるカンフーアクションがおもろ。潜入捜査ものは、捜査官への共感をどれだけもたせられるか。助演のアダム・ドライバー、なんだか惹きつけられる。
  • テロや隠ぺいは批判するが、差別する側、される側、作中でどちらかを直接裁くことはしていないようにみえる。ただ、差別や憎しみそのものをそこに提示する。ただし、それを煽り、たきつけた政治は強烈に批判するラスト。
  • 部外者にも人種差別の根深さを突き刺してくる。改めてオバマの就任は奇跡だったと思う。そして次がもたらした分断は容易に修復されないかもしれないとも。
  • 作品情報