【映】あん(2022/2/1)
- 川瀬直美監督・脚本、樹木希林、永瀬正敏、内田伽羅、市原悦子、浅田美代子。2015年、113分。
- 観ている間、ずっと胸の震えがとまらない。俳優がみな素晴らしい。ひとつひとつのシーンが、しみじみ温かい。冒頭数分で、ずっとみていたい気持ちにさせる。
- 桜並木にたたずむ。空を仰ぎ、息を吸い込む。小豆を大切に扱う、おもてなしという。日本語を聞き取れない人に、希林さんの演技はどのように響くのだろう。
- 時の流れを自然に伝える。月が満ちる、太陽があがる、桜花から葉桜となり紅葉する、制服が夏服に変わる。
- あんづくりの共同作業。ずっとみていたいシーン。
- よく観ること、よく聴くこと、しっかり想像すること。生きることのすべて。創造は結果でしかないと思う。
- 病にかかわる差別。石牟礼道子の“苦海浄土”を想起。徳江が口にする“自由”という言葉の重さ。
“ねぇ、店長さん。私たちはこの世を、みるために、きくために、生まれてきた。だとすれば、なにかになれなくても、私たちには、生きる意味が、あるのよ。”