モグラ談

40代のリベラルアーツ

【美】故宮の世界(東京国立博物館)

  • 日中国交正常化50周年記念。故宮博物院の名作を主にデジタル映像で展示。
  • デジタル映像、凸版印刷の技術力、大画面、精細、鮮明、リアリティを失わせるほどの輝度。紙の図版とは比べ物にならない。でも模倣品でもリアリティにはまだかなわないかな、あるいは永遠にかなうものではないかな、という実感。モノがないと想像力が及ばない、ということかも。
  • 紫禁城の名の由来。古代中国では、天帝は天の中心にある不動の北極星に位置すると考え、この付近である“紫微垣(しびえん)”にちなむ「紫宮」と、庶民の立ち入りを禁じた(禁地)を重ねた“紫宮禁地”の略語とされるらしい。
  • 乾隆帝(1711-99)は美術にも造詣。“慶豊図巻”は当時の都の風俗を描かせた長大な画巻。実物で展示。写実的。人の多さ、当時の活気を想像。
  • 清代歴代皇帝の楷書軸が何点か。雄大な力強さに満ちる。乾隆帝の“行書七言律詩軸”、端正でぶれない温かみを感じさせる。
  • 東洋館のミュージアムシアターで紫禁城内部をVR再現。このほかチベット仏教美術などの創立150記念特集を拝見。秋には所蔵国宝すべて展示の特別展が予定されている。

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