モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】パリの調香師 しあわせの香りを探して(グレゴリー・マーニュ)

  • “挫折した天才調香師が人生崖っぷちな運転手との交流を通して再生していく姿を、ディオールの撮影協力&エルメスの専属調香師監修のもと描いたヒューマンドラマ“(映画.com)。2019年、101分、仏。
  • 調香師アンヌ役のエマニュエル・ドゥボス、初見。専門職の神経質と不安定さを好演。高くかわいらしい声が記憶に残る。運転手ギョーム役はグレゴリー・モンテル、こちらも初見。ゴーン元日産会長を想起させる鷲鼻。無器用だが慈愛に満ちた瞳。
  • 社会階層や価値観の異なる二人がであい、ぶつかり、尊敬しあい、救われる。フランス映画でたまにみられる主題。「最強のふたり」を想起。My favorite。
  • 匂い、香りが創り、広げる世界。それが創る認知の世界。想像してみる。美しい世界。原始に還るというか。感覚に注意を払って生きるということ。敏感であるということ。
  • トイレの石鹸の香りが少女時代の記憶と結びつく。香りは記憶と結びつく。誰にでもある経験。自分にとってはなにかと思いめぐらす。生理学的には、ニオイ分子をキャッチした嗅上皮から送られた電気信号を脳に送る嗅球が記憶を司る海馬とつながっているという仕組み。
  • 終盤、一気にいろいろなものに決着をつける。もう少しゆっくりしみじみクロージングしてくれてもよかった。
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