モグラ談

40代のリベラルアーツ

【音】響きの森クラシック(東京オペラシティ リサイタルホール 2022/03/17)

  • ピアノと東京フィルメンバーによる木管五重奏。ドビュッシープーランク、オーリックと近代フランス音楽をリードした作曲家の作品。文京シビックホールの改修工事にともない東京オペラシティで開催。
  • 20世紀初頭のパリは芸術の中心地。活況、野心、前衛、大戦前後の不穏、そんなものを想像。
  • ドビュッシーからは、木管五重奏で「子どもの領分」「小組曲」、ピアノソロで「月の光」。アンサンブルの魅力発見。暖かみのある木管の音色がつくる物語。5人が楽しそうに響き合う。「月の光」、目を閉じると夜桜の枝の間から照らす月光が瞼のうらに浮かぶ。鍵盤の上を流れる指はまるでワルツ。
  • ジョルベの「フルートとクラリネットのための二重奏」。現代音楽にも通じる抽象感。2名の協奏がひとつの物語を生む。人が音を奏でること、聴衆に届けること、その営みの原点を感じさせる熱演。
  • オーリックの三重奏曲は、オーボエファゴットクラリネットファゴットという楽器、初めて聴いた。美しい音色、森林の香り。楽器の造形も美しい。木管アンサンブルの新鮮さに感動。
  • プーランクの六重奏曲では、ピアノも加わる。ソロのときより楽しそうに弾いているよう見える。
  • 曲と曲の合間に、演奏家が順に曲紹介をする。アットホームな雰囲気、距離が縮まる。音楽≒楽曲と感じがちだが、演奏家と一体になって生みだされているという当然のことに気づく。

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