【映】Us アス(ジョーダン・ピール)
- 涼をとろうとホラー。“ゲットアウト”で面白かったジョーダン・ピール作品。2019年、116分、米。ピール監督、コメディアン出身。才能豊か。
- なんでもない浜辺の遊園地のオープニングなのにすでに不穏な空気に満ちる。日常シーンに緊張感を強いる。冒頭から良質ホラーの予感に期待高まる。
- 浜辺の遊園地、少女がお化け屋敷に迷い込み恐怖に遭遇。母親になった彼女は家族とバカンスでその浜辺を訪れることになり・・・。
- ホラー映画には法則がある。不幸を予感すると次にそれが現れる、とか。このお約束が、一歩も二歩も早く示される。鋭利な巨大な裁断バサミが恐怖を直接さしこんでくる。陽のBGMにビーチボーイズ、悪のBGMにN.W.A。なるほど。
- ドッペルゲンガーという恐怖をモチーフに。表と裏、陽と陰、光と影。主人公たちが演じる両面、すごいの一言。娘役のシャハディ・ライト・ジョセフ、今後、注目。
- もちろん残酷シーンも。この設定、このシーン、このストーリー。どうしてこういうもの作ろうと思うのか、気が知れないし、こうしたものを生み出す土壌って、と思う。
- ストーリー展開、予想がつかないままひきこまれていく。悪はこの家族にとどまらず伝播していく。
- 影との最後の対決。バレェに重ねる、アーティスティックな表現が印象的。
- 最後の種明かし。科学に帰して理由づけしなくてもよかったかな、などと思う。理解の及ばないところに悪と恐怖がある。でも、それはそれとしてラストはしっかりおとす。金字塔になるか。