【映】タイピスト（レジス・ロワンサル）
- 一旦、韓国映画から離れて、気張らず観られる作品に。2012年、111分、フランス
- ‘50年代のフランスを舞台にタイプライター世界大会に挑む女性を描く。都会にあこがれるローズ、秘書職の面接を受ける。うまくこなせず解雇通知。継続の条件は素質を認められたタイピングの世界大会で優勝すること。体育会系の上司ルイと二人三脚で勝負に挑む・・・。
- オープニングからおしゃれ感。レトロなかわいらしさ。ファッション、色彩にあふれる。画面の構成美、色彩美。
- 実家の店におかれた旧式タイプ機。夜中にさわってみる。はじめて触れる。出会いの喜びが伝わってくる。
- 主役のローズ役はデボラ・フランソワ。オードリー・ヘップバーンに重なる。シンデレラストーリーにふさわしい、素朴さ、負けず嫌い、美しさ。ルイ役のロマン・デュリスもまたよい。体育会系の熱血漢と鈍感。容易には惚れない。コーチと選手は恋をしてはいけない、と本気で実践する。ちょいと二枚目、ちょいとS。このラインがよい。
- アメリカとの対立軸。最新技術と伝統、合理と美、資本と愛。きちんとアメリカをみくだす。“American is business, French is love.”
- 胸に生まれる幸せ感。自然に笑みがでてくる。そんな素晴らしい映画。映画の良さに気づく。
