モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】PLAN75(早川千絵)

  • ウォッチリストから。75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、その制度に翻弄される人々の行く末を描く(映画com)。2022年/112分/日・仏・フィリピン・カタール合作。
  • いろいろ思考が飛ぶ。ロールズベンサム、あるいは、”誰に喰わせてもらってると思ってるんだ”とはじめて口にした人類は誰か、あるいは年金受給開始年齢延長や安楽死制度との異同、自死の受容と宗教 等々。
  • 死へ誘うこのサービスは極めて親身丁寧に運営される。これならばよいのでは、と思わせる。サービスに浸っている私たちは、その意味に立ち返ることなく、その品質と利便性で判断し、自らの変容を無意識に受け入れていく。
  • 倍賞千恵子の背中に母親を見ないわけにはいかないはず。生命を社会システムとして扱う危険への警鐘ともとれるが、作品は冷静に中立に描かれる。
  • 演者が皆すばらしい。早川千絵監督、本作が長編一作目とのこと。これからも注目したい。
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