モグラ談

40代のリベラルアーツ

【美】-意識のながれ-岩田壮平日本画展 ほか(成川美術館)

  • 恒例の箱根美術館めぐり。まず成川から。企画展の岩田壮平は華道に原点をもつ日本画家。 “大胆、繊細、高揚感”“内面の表出よりむしろ企てられた形と色の解釈”“絵の具そのものがもつ感情を組み立てる喜び”と、同氏の紹介文にあった表現にひとしきり納得。
  • おしべのマチエールや鮮烈な朱に惹きつけられる。ぼたんが伝える儚さ、退廃と生命力の輝き。
  • 別室の“日本画の煌めき”では、おなじみの魁夷、高山辰雄平山郁夫加山又造など。同じく別室の堀文子の“野の花にひかれて”では、自然を求めて世界を旅した彼女がひかれた草木を展示。いさぎよさ、気品、慈愛のまなざしに満ちる。
  • 齋正機の“只見線とそれぞれの鉄道物語”は、豪雨被害で不通となっていた只見線の復旧を記念した企画。素朴な筆致、淡い色彩が、自然に生きる人々や、自然と生きる日々の美しさを改めて感じさせる。ぼかされた輪郭線が自然と人工物と人間の境界を溶かし、お互いを溶け込ませる。

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