モグラ談

40代のリベラルアーツ

【漫】かしこくて勇気ある子ども(山本美希)

  • 作者は、大学で教職につくマンガ作家。“物語を内容とする画像表現について幅広く関心があり、特に「物語内容と表現手法の関係」を重視しています。簡単にいえば、それぞれの物語を最も魅力的にする方法を考えることです”(作者サイト)。画像のミザンセヌ。
  • 妊娠を機に、子どもへの期待が膨らむ。一生懸命、満足できる期待をひねりだそうとする。世界への貢献、社会的評価、スキル、性格・・・。“自分から手を挙げて大きな声で意見を言う子”と言語化する。でもあわてることはない、無理に背負うこともない。時期がくれば天使は生まれ、家族は再構築される。
  • どんな子になってほしいか、それはささやかな願いであって、目標にすべきものではないのかな、と思う。目標になると、プログラムが用意され、子どもは操作の対象となり、達成度がものさしになる。
  • 鉛筆の描線のやさしさ、少ないセリフ、コマの遷移で変化を伝える、情感が伝わる。丸みのあるフレーム、ときになくなるフレーム。マンガという表現空間の大きな可能性を感じさせる一作。

“うちの子が世界でいちばんかしこくて勇気あるスゴイ子になるといいなって思っちゃってる、もう!”

作品情報