モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】マーシュランド(アルベルト・ロドリゲス)

  • いつもと違った雰囲気でもと思いスペイン映画から。田舎町を舞台にしたクライムサスペンス。ゴヤ賞では作品賞、監督賞など10部門受賞。2014年、105分、スペイン。
  • フランコ独裁政権の爪痕のこるアンダルシア地方の田舎町。町の祭りにあわせて起きる少女連続殺人事件にマドリードから2名の刑事が派遣される。田舎町に潜む様々な悪、秘密警察としての過去などが錯綜し・・・。
  • 観たいと思って探してもなかなかこれっ!と見つけにくい(良質だが普通の)サスペンス感がよい!などと思いながら観たが、ゴヤ賞受賞作とのこと。あとから知る。
  • オープニングの上空からの映像。アンダルシア地方の美しい農村風景がタペストリーのように長尺で示される。絵画のようだなと思う。
  • クライムサスペンスとして、ストーリーもプロットも特別なものはない。二人の刑事の個性、関係描写が独特。必ずしも対称ではなく、どちらかの主観を主軸に据えるわけでもなく、それぞれ個性を持ちながら一方でとらえどころがない。
  • サスペンスを基調とした二人のドラマ、としての魅力を感じながら観る。「刑事ジョンブック」を観たときと同じようなドーパミン感。
  • フランコ独裁政権の残り香、その時代に秘密警察として市民を傷つけてきた刑事が正義を追及するという構図。この映画が伝える通奏は他国の人に感じられないものがあるのだろう。
  • スペイン映画、アマプラで観られる名作限られるのが残念。
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