【美】ピーター・ドイグ展(東京国立近代美術館:2020/07/02)
【概要・雑感】
- トリニダード・トバゴ(port of Spain)在住のアーティスト。ロマンティックでミステリアスな風景を描く画家(チラシ評)。過去に日本で展示されたこともあるが、今回の規模ははじめて。音声ガイドは女優ののんさん。
- スコットランド生まれ、トリニダード・トバゴとカナダで育ち、ロンドンで学ぶ。ヤング・ブリティッシュ・アーティストや大型のインスタレーションが流行った当時、ドイグはあえて伝統的な媒体である絵画を選択。
- 日常や見たことのあるような自然風景の中に、なにかしらの違和感、新鮮さをうめこむ。そこにあるはずのないものであったり、色彩や輪郭の対比であったり。それが幻想的なイメージを生む。画家自身、これまでにないイメージを見るものに与えることを意図しているという。
- 大型作品、厚みのある油彩、多彩が印象に残る。実際に見たもの、写真、広告などを素材に、複数のイメージを重ね合わせて、画家独自の世界を示す。絵画ならではの表現方法かもしれない。
- 展示の配置は、時代順、モチーフ順ではなく、空間全体がどのような色調で構成されるかを意識するという。なるほど。
- 映画好き。トリニダード・トバゴでは、サロン的な映画上映会を実施。ポスターを自作し宣伝。日本映画にも関心。作品「ラペイルーズの壁」は小津の東京物語の空がイメージされている。
- コレクション展では北脇昇の小企画が展示。