【美】狩野派と土佐派 幕府・宮廷の絵師たち(根津美術館:2021/3/26)
【概要・雑感】
- 年度末、一息ついたので、仕事帰りにぶらり。はじめての根津美術館。落ち着ける庭園、美しい建築。豊かな時間、空間を感じられる都心の美術館。那智の滝図と燕子花図屏風を所蔵。
- ともに室町に始祖を持つ狩野派、土佐派。所蔵の両派作品を中心に、“御絵師”の作品を展示。音声ガイドはとても豊かな表現で、目でも耳でも満喫できる。
- 長期繁栄の共通項。時代の変化を捉えたこと(絢爛の永徳から安定の探幽)、中興の祖の存在(永徳、光起)、他流の技術を学び・取り入れたこと。
- 御絵師の仕事は多岐にわたる。鑑定業務は狩野派の発展を支えた。収益源であるとともに、多くの絵を見る機会を得、技術を盗めた。一方で、その安寧が新しさを生み出す土壌を弱めた。
- 絵師の力量として、古画の習得が求められたとのこと。中国の影響を改めて感じた。
- お伽草子絵巻2作品の展示が同時開催。人は本性として物語が好きなことを感じ、稚拙な絵にもほほえましさを感じた。
【もう1冊】
- 別冊太陽狩野派決定版(別冊太陽,2004,平凡社)⇨日本画の分野では、とりあえず別冊太陽を検索してみる。図書館の蔵書であることも多い。