モグラ談

40代のリベラルアーツ

【映】アンテベラム(ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ)

  • 「ゲットアウト」「アス」のプロデューサー作品ということで期待して視聴。2020年、106分、米。
  • 社会学者として活躍するベロニカ。一方で、南北戦争下で虐げられるエデン。ふたつの物語が併走し、合流する・・・。
  • 中盤までの40分、プランテーションでの虐げられた生活が執拗に描かれるが、全体的に密度が薄いというか、工夫のない表現が続く。差別に対する批判的メッセージを通底とするなら、映像表現やセリフに工夫の余地があったのかなと思う。
  • 後半になりようやく二つの物語がつながりだす。輪廻転生の話かと想像しつつ、裏切られる。はっとする。なるほど、こういう設定かと感心。実は隣接していた二つの世界。同じ時代、隣接する土地において行われる差別、見て見ぬふりしていることへの批判や怒りを感じ取る。
  • ホラーとして仕上げるのか、社会派サスペンスとして仕上げるのか、どっちつかずになってしまっている印象。少し残念。
  • すみわたる青空、灼熱の太陽、力強い緑。プランテーションで描かれた原色の美しさとそこで行われる悲惨の対比が印象に残った。

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