モグラ談

40代のリベラルアーツ

【音】日フィル第九交響曲特別演奏会2022(東京芸術劇場2023/12/23)

  • およそ年内の仕事を終えて池袋へ。クリスマスの趣向で冒頭、パイプオルガンでバッハから3曲。演奏は石丸由佳さん。「トッカータとフーガ」は螺旋階段を上り続けるかのように昇華し続ける。全身で演奏する。天使が降りる。折り重ねるように、畳みかけるように脳みそに響き渡る。生つばを飲み込む。18世紀の教会を想像。神の絶対的な存在を信じざるを得ない音色以上のなにか。
  • 休憩をはさみ第九。はじめての日フィルと小林研一郎指揮。第三楽章もはじめて。コバケンの指揮、力まないが強烈な集中力を要求してくる。体をゆする。軽く握る左手、手のひらで常に音塊と会話しているかのよう。
  • 切り裂くようにはじまる第二楽章に続き、一転穏やかな第三楽章。目をつぶり耳をすませる。内省に誘われる。年末感の中、ぼんやり考える。自分のこと、家族のこと、世界のこと。これまでのこと、これからのこと。
  • 第四楽章は何度聞いても感動する。頭の中で、“天才、天才、ベートーヴェンは天才・・・”とテロップが流れる。ニコ動のように。感極まる。たしかに交響曲はここで一度極まってしまっている。

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