【映】リリーのすべて(トム・フーパー)
- 「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、「レ・ミゼラブル」に続いてタッグを組み、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ(映画.com)。2015年、120分、英。
- 俳優が全員素晴らしい。名門パブリックスクール出のような気品を備えたエディ・レッドメイン。妻のゲルダの依頼でドレスをまとったことで女性が芽生えていく。堰をきったように自分の中で女性がひろがっていく。戸惑いと喜びの表情。妻のゲルダ役はアリシア・ビカンダー。本作でアカデミー助演女優賞受賞。動揺と混乱、拒否と献身を演じる。
- リリーとゲルダ。生まれ持った性別は異なるが、むしろリリーのほうが強い女性性を感じさせるような対比の描写。一方で、ゲルダが最期に見せる圧倒的な母性。
- 美しい映像、静謐の中に波乱がある。俳優の魅力も惹きだされる。素晴らしい作品。