【映】プロミシング・ヤング・ウーマン(エメラルド・フェネル)
- 気になってた一作。キャリー・ハンナ・マリガン主演。どこかでみたことあると思ったら“華麗なるギャッツビー”だった。フェネル監督、初長編映画。しっかりえぐってくる。アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞受賞(2021)。2020年、113分、アメリカ。
- 優れた成績を残しながら医学部を中退し、昼はカフェ、夜は男の性欲に復讐する生活。とある出会いから抑えてきた怒りが爆発していく・・・。
- 怒りに満ち溢れている。暴力に対する怒り、傍観に対する怒り。Innocent by standerへの怒りは強烈。復讐であり、私刑の映画。すべてに対して破滅願望を抱いているかのような。タイトルと内容の相違に違和感。あるいは皮肉か。
- 日々、ひそかに怒りを開放することで自分を保つ前半、そこからの解放を期待させる中盤、かつての怒りを増幅させサイコに突き進む後半。ソナタのような構成。それぞれ異なる空気感を演出。とくに中盤のラブコメ感は驚くほどに宙に浮く。たたみかけてくるような終盤が見どころ。
- パステルの色調が作る世界観と物語のギャップに目が行く。
- 主人公の最期、そしてそれが最期にならない物語のラスト。ここはハリウッドエンターテイメント。