【音】オルガンプロムナードコンサート(サントリーホール 2023/2/9)
- 奏者は秋本奈美さん。デュリフレ、バッハ、ベダール、モーツアルトより。
- 奏者の真横の二階席から。両手両足の動き、波打つ体の軸、肩から指先に流れ込む感情まで感じられる。
- モーツアルトまでの3曲はとても短い。壮大で力強いデュリフレ、穏やかな物語が進行するかのようなソプラノのバッハ、インテルメッチェ(足だけの演奏)のベダール。
- モーツアルトからは”自動オルガンのための幻想曲“。氏曰く、”僕にとってオルガンは楽器の王様だ“とのこと。はじめて聞くモーツアルトのオルガン曲。協奏曲にみられる華やかさはみつからないが新鮮。あっというまに時が流れる。構成美に惹きつけらる。
- 少し早く到着。開演までプルーストの解説本を読む。“文体に永遠を与えるのはメタファーだけだ”“(無意識的記憶の要諦は)時間の偶然性から抜け出させるために現在と過去の感覚をひとつのメタファーのなかに結びつけて両者に共通するエッセンスを取り出す”とある。印象に昇華させることで普遍性を持たせる、ということかと思うが、音楽はまさにこれ、そしてその凝縮は生の演奏、と聴きながら思う。