モグラ談

40代のリベラルアーツ

【音】オルガンプロムナードコンサート(サントリーホール 2022/06/09)

  • お昼のα波タイム。この日は、バッハ、カルク=エーレルト(1877-1933)、メシアン(1908-92)、エベン(1929-2007)から。オルガンは小田龍一郎さん。
  • カルク=エーレルトはドイツの作曲家。グリーグに認められ、シェーンベルクドビュッシーに心酔。“その影響は調性を拡張し、独自の半音階的な書法を発展させるのみにとどまらず、オルガンのストップの詳細な指定から彼ならではの色彩感の強調が窺える。“(wiki)とのこと。ふーん。。
  • 出だしのバッハ。突然に、しかし緩やかに確かめるように鍵盤をたたく。
  • エーレルト。音をどこから重ねるか、どこまで重ねるか、重ねながらどう変化させるか。オルガン曲では重なる長音同士の調和と衝突に表現の広がりがあると気づく。“ロンド・アラ・カンパネッラ”作品156では、高音が踊る。軽やかに魅惑的に、若干の不安をまとわせて、階段をかけあがるように。
  • 今回はステージ横から。奏者をほぼ正面から観られる。右目で奏者を観、左耳でホルンからの音を聴く。全身で奏でる奏者。脳で想像し、胸で鼓動を整え、目で楽譜を追い、腕に力を流し、指先にイメージをこめ、体幹で支えながら、ステップを踏む。
  • メシアンの“天上の宴”。一音一音ひきのばされる中低音。レッドカーペットが転がっていくような。一音一音に集中して聴き入る。次第に短音が合流してくる。現代音楽の源流を感じさせる抽象感。ひきのばされる一音が時間性を感じさせるのとは逆説的に、時の流れから独立した次元の宇宙も感じさせるような、不思議な世界。
  • 最後はエベン。より一層の抽象感。メロディではなく、音の突然や混合を味わう感覚。時系列、ストーリー、時の流れ、進行なるものから離れていく。週末、現代音楽を聴いてみようと思う。

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