【美】上村松園と美人画の世界(山種美術館:2020/2/23)
【概要・雑感】
- 日本画専門美術館の同館の広尾開館10周年記念展示。「蛍」「砧」「牡丹雪」などの代表作を含む松園作品18点に加え、「西の松園、東の清方」といわれた鏑木清方、その弟子の伊東深水の美人画や、日本近代の女性画を展示。音声ガイドは安井邦彦さん。
- 松園は、女性初の文化勲章受章者。竹内栖鳳に師事するも、美人画は独学で開拓。著書「青眉抄」では“1点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香り高い珠玉のような絵こそ私の念願とするころ”とする。
- 着物・小物・髪型の美のこだわり、眉毛や髪の生え際といった緻密な表現の技量、曲線が創る優雅さ、心情を感じさせる視線など、個々際立つものを感じつつ、全体を通し直感的に美しさを感じさせる。
【もう1冊】
- 山種美術館近代日本画名品選100(図録)(山下裕二監修,2016,山種美術館)
- 日本画の歴史 近代編(草薙奈津子,2018,中公新書) ⇨維新・開国時の南画から、フェノロサ・天心・日本美術院、官展の歩みまでの歴史、ここに関わった画家の作品・人生を紹介。日本画の近代化とは写実化の歴史であり、二次元の平面空間に三次元の立体空間を取り込もうともがき苦しんだ歴史とする。