【映】アクト・オブ・キリング(ジョシュア・オッペンハイマー)
- いつしか登録したウォッチリストから。2012年、121分、デンマーク・ノルウェー・イギリス合作。
- 60年代のインドネシアで吹き荒れたレッドパージ。ギャングたちも加わり100万人規模の虐殺が行われたといわれる。被害者への取材が禁止された製作陣は、加害者にアプローチ。当時の様子を演じさせる手法でむき出しの生々しさを再現しつつ、加害者たちの意識が変容してく様を描き出す。
- ドキュメンタリーという過去と今をあぶりだす方法としながら、しかし当時の様子を演じさせることで現在の彼らに変化をもたらし、その変容を描き出していく、というこれまでみたこともない製作技法。
- むきだしの暴力、原始的だが確実な暗殺方法が再現される。殺人者たちは演じながら当時の自分にのりうつり高揚していく。そこに命の尊厳はみあたらない。老若男女問わない。村ごと焼き尽くす。こんな世界が60年前に行われていたことに無知であった自分にも驚く。